「・・迷った」
銀色の髪に青い瞳の「少年」・・いや、「少女」はぽつりと呟いた。
見目や服装、雰囲気は如何にも少年といった感じだが・・声は確かに少女のそれだ。
すれ違う人々の中に見知った顔を探すものの、1人としていない。
そもそも、すれ違う中に偶然知り合いを見つけるほど、多くの交友関係を持ってはいないけれど。
「あぁ、どうしようかなぁ。帰れないのはまずいよなぁ」
言葉とは裏腹に大した問題でも無い、といったような間延びした調子。
それは少女にとっての「普通」だった。
どんな時も、どんなことも、いつも最終的にはなんとかなってきた。
紆余曲折あろうとも、最終的にはハッピーエンド。
少女にとって過程は問題では無い・・重要なのは、結果。
なるようになってきた、という事実こそが全て。
だから今日も、いつもと同じ。
慌てず騒がず、動揺せず。・・だって何事も、「なるようになる」のだから。
少女は自分の事に関しては無頓着だ。生きるも死ぬも、どこかでのたれ死ぬのも運次第。
人に自慢できるような信念もないし、誇れるような価値や財産が自分にあるとは到底思えない。
いつかどこかで自分が不意に居なくなった時、泣いてくれる人すら思い当たらない。
中途半端な人間だ、と我ながらそう思う。
(良いじゃないか、そうやって僕は生きてきた。
自由気ままに束縛されず、指図されず、自分のやりたいように。
やりたいようにやった結果、やりたいようになっただけだ。)
空を見上げる。
初めて「空」を見た日のことを、今でもはっきり覚えている。
あまりにも大きな空、雲1つ無い空・・月並みな言葉で表現するなら、酷く感動した。
あれ以来だ、あの力が自分に備わったのは。
そうなってしまったのなら、それが運命だったんだろう。
そうなるはずの、なるようになった結果・・。
――それが運命だと言うのなら。
先ほどすれ違った人々の中に、決して良いとは言えない『エンディング』を持った者がいたことも。
それを、「エンドブレイカー」である自分が見てしまったことも。
恐らく、運命。
「あぁ、見ちゃった」
「見ちゃったからには、何もしないわけにはいかないなぁ」
自由気ままに束縛されず、指図されず、自分のやりたいように生きてきた。
そして今も、やりたいようにやる・・それだけのことだ。
「ま、なるようになるよね、きっと。」
少女は駆け出す。
自分以外の誰かの為に。
→
【エンドブレイカー!/アステル・クラン/c07471】あちらの世界の、ぼく。
設定がはっきりしていないので、ひとまず文章で・・。
ちょっと空気読めない感じの子かもしれません。まだ色々ふらふらしていて・・
相変わらず僕っ娘な所は安定してますが←
個人的に動かしやすいんです・・僕っ娘。
かわいいふわふわな天然娘とかやってみたいけれど・・人様が動かしてらっしゃるのを見る方がずっと楽しいんですよね。かわいくて・・!><
廻琉とはまたタイプが違う感じですが、何処かで見かけたら仲良くして頂けると嬉しいです。
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